日塗工色見本帳実務セミナーが開催
美しい日本の色彩環境を創る研究会(林英光主査)は、2月10日午後2時から愛知県名古屋市東区矢田南の名城大学ナゴヤドーム前キャンパスの西館2階レセプションホールで、セミナー「塗料用標準色K版のポイントとカラーパレット作成実習」を開いた。
講師は日本塗料工業会色彩部の小林輝雄氏が務め、入念な準備のうえ、講義と実習を行った。
講義は「塗料の基礎知識」「塗料用標準色」「景観色彩」「ペイントカラー検索システム」で構成、実習は3グループに分かれ、比色マスクを用いて、室内の壁、床、ドア、テーブルなどを測色した。そのほか、CUD推奨配色セットと新JIS安全色の関係についても言及があった。
同研究会(LOJ)は目標のひとつに色票の完成を掲げており、今回、それに叶うような実務に繋がるプログラムが用意された。
色彩設計や塗料の受発注に欠かせないツールである色見本帳は、1954年に初版を発行、現在34版目となる。色見本帳としては、1951年に日本色彩研究所が、また1952~3年に塗料報知新聞社が発行した歴史が残っている。日塗工最新版は、内装市場に向けに艶消し色36色収録、色相1・25Yの16色を用意している。
セミナーを終え、林主査は「ドミナンスが大事で、さらにクリエーションが加わって新しい色が使われる。建築やデザインを良くするためには、やはり教育が必要である」と語り、川澄未来子幹事は「LOJには、牽引力のある理念とそれを具現化する手法の両方が必要であり、今日は会にとって有意義であった」と述べた。
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同会場は11月29日から3日間、日本色彩学会との共催でアジア色彩学会(ACA2019Nagoya)の会場でもあり、10時からは「LOJとして何ができるか」について企画ミーティングが開かれた。
ACAはアジアで色彩研究やデザインに取り組んでいる若い世代が発表し、交流する機会となっており、日本で初開催となる。実行委員長は、LOJの幹事でもある名城大学の川澄未来子先生が務め、大会テーマに“Color Communications”を掲げている。