壁画プロジェクト「淀壁」スタート
アーティストと塗料メーカーが連携して地域を活性化
大阪市淀川区を拠点として国内外でライブペインティングやワークショップを展開しているBAKIBAKI(バキバキ)氏と、「世界中をアートで彩り、世界の心を豊かにする」をミッションに掲げるWALL SHARE(ウォールシェア・CEO川添孝信氏)が今年からタッグを組んで壁画プロジェクト「淀壁」をスタートし、新たな街おこしとして注目されている。
プロジェクトの発起人は壁画アーティストのBAKIBAKI氏である。現在2025年開催の大阪万博に向けて淀川エリアに壁画を増やし、街を壁画で彩ることの素晴らしさを発信し、次の世代へ明るいビジョンのある日本に繋げていきたいと考えている。
「淀壁」の前身となる企画、淀川ウォールアートプロジェクトは、3月に実施された。パンデミックの最前線で闘う「医療従事者への感謝と敬意」をテーマに、クリミヤの天使と称される「ナイチンゲール」をモチーフとした壁画が淀川区役所の隣ビルに描かれた。
BAKIBAKI氏とコラボを組んで「淀壁」をプロデュースしているWALL SHAREは、2020年4月に設立した。空き壁を、企業や行政のプロモーションに繋がるアート作品の場所として有効に活用してもらう提案を行っている。街の壁をアートで彩ることによって一般の人々とアートが繋がる仕組みをプロデュースしている。
色材の塗料についてBAKIBAKI氏は、「大信ペイントさんには塗料をたくさん協力していただき感謝している。同社は工業用塗料が主だと聞いているが、壁に塗られた塗料が壁画となり、一般の人々の目にもわかり易く可視化されていると喜ばれている。壁画が淀川地区で広がるニューウェーブを作っていきたい」とコメントしている。
大信ペイントは「当社の壁画用塗料・アクティグロスの採用は『ナイチンゲール』の壁画が最初である。新型コロナウイルスの影響でネガティブなニュースが続く中、アートの力で街を元気にしたいというアーティストの想いに賛同し塗料の提供を始めた」
「第2弾の淀壁プロジェクトでは淀川区5カ所でアートが描かれており、当社の水性塗料が多く使われている。塗り易いと評価をいただいており、大変嬉しく感じている」という。
ターナー色彩は、屋内外の壁面などに適した水性ペイント・ビックアートカラーを協賛販売した。特長は、あざやかな発色とツヤ消しの落ち着いた質感、手軽に描き・塗れ作業性が良く、強い接着力でさまざまな下地に対応。変色をおこしにくい強い耐候性も兼ね備えていることである。
BAKIBAKI氏と同社との連携は、2012年に東京都豊島区にあるターナーギャラリーでの企画展「Live Paint DOJO」に始まる。グラフィティ、現代アート、フラットなアニメ絵から日本画風まで作品にはそれぞれが持つジャンルやバックグラウンドが反映されて、予想以上の多様さが話題となったとのことである。
壁画の制作者と描かれた住所は次の通り。
①DOPPEL(BAKIBAKI/MON)(淀川区西中島2―4―2)②カツマタヒデユキ(同三津屋北3―1―37)③NAZE(同木川西4―1―16)④borutanext5(同十三東2―1―10)⑤LANP(同)。なお、3月に完成したナイチンゲールの壁画はBAKIBAKI(同十三東2―2―4)である。